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アーク溶接の仕事に資格は必要?資格の種類や取得方法も解説!

「これから溶接の仕事をしたい」と思ったときに気になるのが「溶接に資格は必要なのだろうか」ということではないでしょうか。

溶接の仕事に興味があるけれど、資格を持っていないので求人に応募できないでいるという人もいるかもしれませんね。


今回は、アーク溶接の仕事に興味を持っている人のために、資格の必要性や取り方、溶接関係の資格についてまとめました。

溶接の仕事で大変なポイントや、向いている人についても紹介しているので参考にしてください。


目次[非表示]

  1. アーク溶接とは
  2. アーク溶接に資格は必要?
  3. アーク溶接作業者の資格を取得するには
  4. アーク溶接が活躍する仕事
  5. 溶接の仕事で大変なこと
  6.  溶接の仕事に向いている人
  7. ほかにもある!溶接の資格をチェック
  8. 面接のポイント
  9. まとめ


アーク溶接とは


アーク溶接は、アーク放電という空気中の放電現象を利用した溶接方法で、強い光が特徴です。

家庭でコンセントを抜いたときにバチッと光るのもアーク放電現象です。


溶接に使用するアークは5,000~20,000℃にもなるため、溶融温度1,500~2,800℃の鉄を溶接するにも十分な温度といえるでしょう。

放電現象を利用するため、アーク溶接で溶接できるのは電気伝導体だけです。


アーク溶接では、酸素や水素、窒素が溶接個所に触れると、金属が酸化や窒化して水泡ができてしまいます。

こういった水泡は溶接不良の原因となるため、溶接個所が大気に触れないようにシールドガスを使用します。


アーク溶接には、電極を溶融することで溶接する「消耗電極アーク溶接」と、溶加材を溶かし込んで溶接する「非消耗電極アーク溶接」の2種類に大別できます。


消耗電極式アーク溶接
  • 被覆アーク溶接
  • 炭酸ガスアーク溶接
  • マグ溶接(MAG溶接)
  • ミグ溶接(MIG溶接)
  • サブマージアーク溶接
  • セルフシールドアーク溶接
  • スタッド溶接 など
非消耗電極式アーク溶接
  • ティグ溶接(TIG溶接)
  • プラズマアーク溶接


消耗電極式アーク溶接のなかでも、自動的に電極を供給する溶接トーチを使うものは、半自動溶接といいます。

炭酸ガスアーク溶接やミグ溶接、マグ溶接などは、半自動溶接として使われます。


アーク溶接のメリット

アーク溶接は、ほかの溶接方法と比べると溶接に使う機器類が安い傾向にあり、ホームセンターでも購入できます。

必要な機材を手軽に揃えられるのは、メリットといえるでしょう。


小型で構造が簡素であるにもかかわらず、強度が高いのも特徴の一つです。

気密性、水密性に優れているので、母材の厚さによる制約が少なく、幅広い溶接に対応できます。


風による影響を受けないガス不使用のアーク溶接なら、屋外でも溶接作業が可能です。


アーク溶接のデメリット

アーク溶接では、5,000~20,000℃の高温で溶接するため、溶接する材質自体が変形したり変質したりすることがあります。また電極や溶加材を溶かして接合するので、元の材質に他の物質が加わることになります。

そのため、見た目が重要視される溶接には向きません。


溶接度合いを、視覚的に判断することが難しいのもデメリットといえるでしょう。


また、高熱で溶けた金属が蒸気中で冷却されると、ヒュームという有害物質が発生するため、労働基準法に定められた対策を取りながら作業する必要があります。


アーク溶接に資格は必要?


資格がなくても、溶接をすること自体に問題はありません。

たとえば、趣味のDIYなどで溶接する分には無資格でも良いでしょう。

無資格であっても、アーク溶接に必要な機械を購入することもできます。


見習いとして資格を持たずに採用されるケースもあります。

しかし、仕事としてアーク溶接を続けるつもりであれば、「アーク溶接作業者」の資格は必要となってくるでしょう。

厚生労働省では、アーク溶接のような危険を伴う作業に従事する労働者には特別教育が必要であると定めています。

これに基づき安全衛生特別教育規程では、アーク溶接を行う労働者に対して、指定の時間以上の学科・実技教育を行うことを義務付けています。


参考:中央労働災害防止協会


アーク溶接作業者の資格を取得するには


アーク溶接作業者は国家資格ですが、受検資格に学歴や職歴などの制限はありません。

満18歳以上であれば、だれでもアーク溶接作業者の資格を取得できます。


特別教育では、11時間の学科と10時間の実技教育を受ける必要がありますが、特別な試験などはないので難易度は低く、合格率もほぼ100%です。


学科と実技を合わせても、3日程度で講習は終わります。

講習は商工会議所や一般企業、公的機関など行われており、費用は受講する場所によっても変わりますが、テキスト代を含めても10,000~25,000円くらいが相場です。


アーク溶接作業者には資格更新といった制度もないので、一度取得しておけば、アーク溶接作業者として長く働けるでしょう。


アーク溶接が活躍する仕事


アーク溶接は、金属加工を扱う場所であれば、中小企業から大手のメーカーまで、幅広く需要があります。


たとえば、自動車メーカーでは、車の製造過程で部品を組み合わせる時に、アーク溶接作業が必要です。

製造以外に、車の修理工場でもアーク溶接が必要になるでしょう。


気密性・水密性に優れているアーク溶接は、建設業や造船業でも需要が高いです。

建設業や造船業では、扱う母材も大きいものが多いので、高度な技術が必要になります。

そのほかにも鉄工所や加工業など、金属の加工が必要な現場の多くで、アーク溶接が活躍しています。


溶接の仕事で大変なこと


金属加工を扱う様々な場面で需要があるアーク溶接ですが、溶接工ならではの大変な一面もあるようです。

ここでは、溶接の仕事で大変なことについて確認していきましょう。


健康リスクがある

アーク溶接作業で飛び散る火花はとても強く、目に大きな負荷をかけます。

眼球への刺激を防ぐためにも、遮光マスクの着用は欠かせません。

しかし仮に遮光マスクを着けていたとしても、目にかかるダメージをゼロにすることはできません。

少なからず角膜へのダメージを受けたり、視力が低下したりする原因となるでしょう。


光による目への負担以外に、高温のアークで火傷するリスクもあります。

5,000~20,000℃の高い温度で作業するアーク溶接ですが、溶接した場所だけではなく、その周辺もかなり熱くなっているため注意が必要です。


また重いものを運んだり、中腰で作業したりすることも多いので、腰痛になる人も多い傾向にあります。

溶接工ならではの健康リスクがあることを覚えておきましょう。


労働環境が過酷

溶接が必要な現場は多岐にわたり、作業場所に関しても工場内で作業することもあれば、屋外の建設現場や高所で作業することもあるでしょう。


高温のアークを使って作業するため、夏場は相当暑い中で働くことになります。

火傷のリスクがあるため、薄着で作業することもできません。


こういった過酷な環境で作業することもあるので、自分でしっかり体調管理しておく必要があります。

作業中はこまめに水分や塩分を取り、寝不足や疲れが残った状態で働くことがないように、生活習慣を整えることも大切です。


体調不良によるめまいやふらつきが、大きな事故に繋がる可能性もあるので、自己管理を徹底しなくてはいけません。


見習いのうちは給料が低い

溶接工は、手に職を付けることで長く働ける仕事ですが、見習いのうちは給料が低い傾向にあります。

未経験で入った場合は特に、仕事を覚えるまではどうしても給料が低く、ボーナスがないケースもあります。


仕事の環境が過酷な中、少ない給料で仕事を続けることがモチベーションを下げてしまうこともあるでしょう。

溶接の技術が上がって、できることが増えれば給料も高くなってきます。

専門性を高められるように知識と技術を磨き、将来を見据えて仕事に臨む姿勢が必要です。


 溶接の仕事に向いている人


溶接工はやりがいのある仕事ですが、人によって向き不向きがあります。

ここでは、溶接の仕事に向いている人の特徴を見ていきましょう。


体力に自信がある人

溶接作業では、基本的に立ち仕事になります。

ただ立っているだけではなく、中腰のまま長時間作業することもあるので、体力が必要です。

扱う製品によっては、重い母材を持つこともあり、溶接以外に母材の切断や加工などの作業をする場合もあります。

力に自信がない人には向きません。


体力と同じくらい大切なのが集中力です。

溶接では電気やガスを使うため、少しの気の緩みが大きな事故に繋がる可能性があります。

作業中は集中して溶接作業に臨むことが求められます。


体力や集中力に自信がある人に、溶接の仕事は向いているでしょう。


ものづくりが好きな人

ものづくりが好きな人にも溶接の仕事は向いています。

ものづくりが好きな人の方が、溶接作業の専門性を高め、技術を極めやすい傾向があるようです。


自分の作業が形として見えるので、技術の向上も実感しやすいので、仕事への意欲も高まります。

部品を溶接で組み立てていくことで、製品が仕上がっていく過程を見られるため、やりがいも感じられるでしょう。


ほかにもある!溶接の資格をチェック


アーク溶接作業者は、アーク溶接に携わるうえで最低限取っておくべき資格ですが、溶接工として働くのであれば、他にも取っておきたい資格があります。

すべての資格が必要なわけではありませんので、自分の仕事に必要な資格や、極めたい分野に合わせて資格の取得を検討してみましょう。


ガス溶接技能者

ガス溶接は、ガスバーナーを使って金属を溶かして接合する方法です。

可燃性のガスや酸素を正しく安全に取り扱うための知識がなければ、ガス溶接には携わることができません。

そのため、ガス溶接を扱うのであれば、ガス溶接技能者の資格が必要です。


受検資格は、満18歳以上であること。ガス溶接技能講習を受講して、学科試験に合格すれば資格を取得できます。

比較的難易度は低いので、挑戦しやすい資格の一つでしょう。


アルミニウム溶接技能者

アルミニウム溶接技能者は、アルミニウム溶接に関する技術と知識を証明する民間資格です。

アルミニウムは軽くて強度がありますが、加熱中に酸化しやすく溶けやすいという特徴があります。

扱いが難しいので、溶接には専門的な知識や技術が必要です。


アルミニウムは自動車メーカーでもよく使われるので、自動車関連の溶接に携わりたい場合は、アルミニウム溶接技能者を取得しておくと良いでしょう。


基本級と専門級があり、それぞれ実技と学科の試験があります。

合格率は80%ほどなので、それほど難易度が高い資格ではありません。


溶接管理技術者 

溶接管理技術者は、官公庁からの工事を受注するために必要な資格で、溶接の施工計画や作業の管理能力を認定する民間資格です。

2級、1級、特別級とあり、上位の資格になるほど多くの業務ができるようになります。


2級の取得で基礎的な施工管理や監督指導ができるようになり、1級ではさらに専門的な技術が必要な施工管理も担えるようになります。

特別級では、溶接作業の計画から、監督・指導、品質管理まで、統括的に仕事を行えます。


溶接作業指導者

溶接の現場で、施工設計などの業務を指導するための民間資格が、溶接作業指導者です。

受検資格は、満25歳以上で、溶接技能資格を所有していることで、区分によっては実務経験も必要になります。


3日間の講習を受講してから、学科試験に合格すると資格を取得できます。

合格率は100%近くなので難易度は高くありませんが、資格所持者はリーダーとしての役割を求められることも多いため、しっかりと講習の内容を理解する必要があります。


ボイラー溶接士

ボイラー溶接士は、ボイラーの製造や修理に関わる溶接を行うための国家資格です。

ボイラー溶接士には、普通ボイラー溶接士と特別ボイラー溶接士の2種類があります。

普通ボイラー溶接士は、ガス溶接と自動溶接を除く溶接の実務経験が1年以上必要です。


特別ボイラー溶接士は、普通ボイラー溶接士を取得してから1年以上の実務経験を積むことで受検できます。

特別ボイラー溶接士の方が作業できる領域が広く、資格を取得すればボイラーの溶接に関する多くの仕事に従事できるようになるでしょう。


ガス溶接作業主任者

ガス溶接作業主任者は、ガス溶接を進めるための現場責任者としての国家資格です。

アセチレン溶接装置やガス集合溶接装置を使う溶接では、ガス溶接作業主任者が必要になります。


受検資格として、ガス溶接技能講習を修了した後、ガス溶接等の業務に3年以上従事した経験が必要です。

ガス溶接技能講習を受けていない場合は、大学や高等専門学校で、工学か化学に関する学科を専攻して卒業してから1年以上ガス溶接等の業務に従事した経験があれば受検できます。


ガス溶接作業主任者の試験は、学科のみで実技試験はありません。

試験は、各科目で40%以上、総合で60%以上の得点率で合格となります。


面接のポイント


溶接工として働くためには、面接での志望動機が重要です。

肉体労働が多く、ハードな溶接工の仕事では、体力面とともに、やる気や忍耐強さが求められます。

スポーツの経験があれば、体力・やる気・忍耐強さをアピールするポイントになるでしょう。


なぜ溶接工を選んだのかという点についても、考えておく必要があります。

「ものづくりが好きだから」「扱っている製品に興味がある」といった、溶接に興味を持ったきっかけをもとに考えると良いでしょう。


まとめ


様々な業種で機械化や自動化が進む中、溶接の仕事は専門性が高く、まだまだ需要の高い仕事です。

資格がなくてもできる仕事もありますが、仕事として技術を高め、長く働きたいのであれば、資格の取得も必要になるでしょう。

アーク溶接であれば、アーク溶接作業者の取得は必須です。18歳以上であれば講習を受けるだけで取れるので、早いうちに取得しておきましょう。

他にも溶接に関する資格はたくさんあるので、必要に応じて取得を検討してくださいね。





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