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バレル加工とはどんな研磨方法?メリットやデメリットは?

製品を製造する工場などで、最終的な工程として行われるのが研磨加工です。
研磨加工には様々な方法があります。
工作物の研磨は、工作物の種類や大きさなどによって、適切な方法が変わるので素材や研磨目的によって、正しい研磨方法を選ばなくてはいけません。

また研磨方法によってメリットやデメリットがあるので、研磨したい工作物にふさわしい研磨方法なのかを確認しておく必要があるでしょう。

今回は、バレル研磨機を使う「バレル加工」について解説しました。
これから研磨に関わる仕事をしたい人や、業者に研磨を依頼したいと考えている人は、この記事で紹介するバレル加工の特徴をしっかり押さえておきましょう。


バレル加工とは


バレル加工は、工作物を研磨する加工法の一つで、バレル研磨ともいわれます。
自動車や電子機器など様々な業種の製造工程で、最終的な仕上げに使われることの多い加工法です。
薬液などの科学的な力を使わず、研磨石を使った物理的な力で工作物の表面を磨きあげます。

バレル加工では、ドラム状のバレル容器に、工作物・研磨石・コンパウンド・水を入れ回転させ、研磨石と工作物が擦れ合うことで研磨しています。
研磨剤粒子が小さいので、手作業での機械研磨をしにくい、複雑な工作物の研磨もしやすいのが特徴です。

バレル加工の、主な使用目的は以下の通りです。

  • バリ取り
  • R付け
  • 光沢仕上げ
  • 平滑仕上げ
  • スケール取り など


バレル加工に必要なもの

バレル加工をするには、バレル研磨機と研磨石、コンパウンドの3つが必要です。
工作物の材質や研磨の目的に応じ、適切に選択して使い分けなくてはいけません。


  •   バレル研磨機

バレル研磨機は、モーターと同力伝達機構でバレル層を回転・振動させます。

  •   研磨石

研磨石は、砥粒を粘土質の結合剤で保持したものが多く、工作物を削りながら自ら摩耗することで研磨します。
表面に丸みを出したいときに使うのが大きくて重い研磨石、表面を平滑にしたいときに使うのが小さく軽い研磨石です。

このように工作物の最終的な仕様によって、使う研磨石を決める必要があります。
研磨石としてよく使われているのが、天然石やセラミックなどです。

  • コンパウンド

コンパウンドは、界面活性剤を主成分とする液体・粉体です。工作物の表面を洗浄するとともに、腐食を防ぐ役割があります。
洗浄しながら、研磨石の目詰まりを防ぐことも可能です。

また研磨石が工作物にぶつかったときの、ダメージ防止にも効果があります。


バレル加工に使う研磨方式


バレル加工に使う研磨方式は、以下の4種類に分類されます。

  • 流動式
  • 遠心式
  • 振動式
  • 回転式

それぞれの特徴や対象となる工作物を確認しておきましょう。


流動式

流動式は、タンクの底にある回転盤を回すことで流動させて研磨する方法です。
工作物の大きさや量に関わらず対応できます。

作業時間が比較的短いのも、流動式の特徴の一つです。

【流動式の特徴】

  • 幅広い大きさの工作物に対応している
  • 作業時間は短め


遠心式

遠心式は、ひとつの研磨機に対して複数のタンクが付いています。
それぞれのタンクは自転しながら、全体的に公転しており、高速回転による遠心力で研磨します。

研磨力は強いので精密な仕上げにも重切削にも対応できますが、多量の工作物には対応できません。少量で小型の工作物に向いている研磨方法です。
遠心式は作業時間が短く、短時間で工作物を処理できます。

【遠心式の特徴】

  • 少量・小型の工作物の研磨に向いている
  • 研磨力が強く、精密な仕上げ研磨も可能
  • 研磨時間が短いので作業効率が良い
  • 多量の研磨には向かない


振動式

振動式は、タンクを小刻みに振動させ、タンクの内部の流動層を混ぜ合わせ衝突させることで研磨する方法です。
大量生産に向いており、工作物の投入面積が広いため、大きな製品や長さのある製品にも対応できますが、小型製品の研磨には向きません。

振動式の研磨方法は機器の操作性が良く、作業を自動化しやすいです。
研磨中の状況を確認できるのも特徴の一つですが、機器が高いのはデメリットとしてあげられるでしょう。

【振動式の特徴】

  • バレル容器の容積率が良いので、大きさのある工作物や多量の研磨に向いている
  • 研磨加工中の工作物をチェックできる
  • 機器の価格が高い


回転式

回転式は、小タンクに入れた工作物を一定方向に回転してかき混ぜることで、ゆっくり研磨する方法です。
機器の構造が単純なので故障しにくく、故障した場合でもメンテナンスが簡単で修理費用が安く済みます。

少量で、中くらいの大きさの工作物に向いている研磨方法です。
作業時間が長く、数十分程度で終わる場合もあれば、数日間かかる場合もあります。

【回転式の特徴】

  • 仕上がりの品質が安定している
  • 構造がシンプルなので凡庸性が高く安価
  • 研磨作業に時間と手間がかかる


バレル加工のメリット


バレル加工で研磨する場合、以下のようなメリットが得られます。

  • 大ロットの研磨が安くできる
  • 研磨の品質が安定する
  • 鏡面仕上げのような研磨もできる

具体的に見ていきましょう。


大ロットの研磨が安くできる

バレル加工のメリットの一つとしてあげられるのが、一度の作業でたくさんの工作物を研磨できる点です。
1回の作業でたくさんの工作物を研磨できるので、研磨にかかるコストも安くなります。

バレル加工と同じく物理的に研磨するバフ研磨と比較しても、バレル加工の方が多くの工作物を安く研磨することができます。


研磨の品質が安定する

作業時間などの条件が同じ場合、バレル加工なら、仕上がりの品質を一定に保つことができます。
手作業で研磨するバフ研磨などは、作業者の技術によって仕上がりにばらつきが出てしまいます。

また一つ一つ手作業で磨くバフ研磨は、多量の研磨には向きません。
バレル加工なら、作業者が変わっても、一定の品質をキープして研磨できます。
作業者の技術に影響されずに一定の品質を保ち、たくさんの工作物を研磨できるのは、バレル加工のメリットです。


鏡面仕上げのような研磨もできる

バレル加工では、使用する機器や研磨石によって、より高品質な研磨の可能です。
バリ取り以外に、光沢研磨やバフ研磨のような鏡面仕上げに近い研磨もできます。

高品質な研磨に対応できるのも、バレル加工の魅力です。


バレル加工のデメリット


バレル加工には、デメリットもあるので覚えておきましょう。
バレル加工のデメリットとしてあげられるのは、以下の3点です。

  • 素材のサイズが大きいと研磨できないこともある
  • 複雑な形状だとうまく研磨できない
  • 傷がつく可能性がある


素材のサイズが大きいと研磨できないこともある

バレル加工では、研磨機に入るサイズの工作物しか研磨できません。
使用する機器によって対応している工作物のサイズも違うので、確認が必要です。

サイズの大きな素材を研磨する場合は、その大きさに対応した研磨機を使用するか、バフ研磨で磨くなどして対処しましょう。


複雑な形状だとうまく研磨できない

バレル加工をした際、研磨石があたらない部分は磨かれません。
バレル加工は、洗濯機で洗濯物を洗うのと同じ原理で工作物の研磨を行います。

ですから、工作物の形状によっては、研磨石が届かず十分に研磨できないこともあるでしょう。
手作業の機械研磨に比べると、比較的複雑な形状にも対応できますが、工作物の形状によっては研磨ムラができる可能性もあります。

複雑な形状の工作物で研磨ムラが心配な場合は、薬液を使用する科学的な研磨方法も検討しましょう。


傷がつく可能性がある

バレル研磨では、タンク内でたくさんの工作物が擦れ合うため、工作物に傷が付く可能性があるでしょう。
機器の種類によっては、工作物に傷を付けないよう、タンクを一つ一つ仕切っているタイプのバレルタンクもあります。

ただバレル加工の特性として、工作物の表面に細かい傷やへこみができる可能性もあることは覚えておきましょう。
工作物に傷を付けたくない場合は、仕切りのある研磨機を使う必要があります。


まとめ


バレル加工は、製品の仕上げに行われる研磨方法の一種です。
作業者による仕上がりの差が出にくく、作業条件さえ同じであれば一定の品質を維持した研磨ができます。

バレル加工に使う研磨機は、「流動式」「遠心式」「振動式」回転式」などの種類があるので、研磨する工作物や研磨目的に合わせて選びましょう。
また工作物の形状や目指す仕上がりによっては、バレル加工による研磨が適切ではない場合もあります。

今回紹介したバレル加工のメリットやデメリットを確認したうえで、ふさわしい研磨方法を適切に選ぶことが重要です。









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