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オイルシールとは?役割や規格・付け方から保管・交換方法まで徹底紹介!


オイルシールとは、自動車をはじめとしたさまざまな機械で使われているパーツで、機械を正常に稼働させるために欠かせないものです。しかしながら、名前は聞いたことがあっても、どのような役割があるのか、どのように使うのかは知らないという人も多いのではないでしょうか。


この記事では、オイルシールの基本構造と役割や規格、取り付け方などについて紹介します。

目次[非表示]

  1. オイルシールとは
  2. オイルシールの種類と規格
  3. オイルシールの付け方
  4. オイルシールの保管方法
  5. オイルシールの交換方法
  6. まとめ


オイルシールとは


オイルシールとは、主に機械部品の回転軸に取り付けるパッキンの一種です。シールには「封じる」という意味があります。機械の隙間を塞ぎ密封することによって、オイルなどの液体やガス漏れを防ぎ、さらにほこり、砂、水分などの異物が外部から侵入することも防ぎます。


オイルシールは自動車、航空機、船舶、鉄道車両、建築機械、農業機械などあらゆるものに使用されます。例えば自動車ではシャフトやエンジンに用いられ、エンジンだけでも約60カ所で使用されています。潤滑な稼働のためにオイルを使う機械には、ほぼオイルシールが使われているといってよいでしょう。


オイルシールの基本構造

オイルシールは、金属環にゴムを組み合わせた構造です。主に以下の部品によって構成されています。



部品名
特徴・役割
金属環

金属のリング。ハウジング(機械装置を包み保護するケース部分)にオイルシールを固定し、剛性を与える。

リップ

合成ゴムでできた部品。機械の軸と接触するリップ先端が機械とオイルシールの隙間を密封する。

バネ

リップを軸に締め付け、密封機能を高める。

はめあい部

最も外側の部品。オイルシールをハウジングに固定する。


機械の軸に接したゴム製のリップをバネで締め付けてぴったりと密封することで、オイルなど内部の液体漏れと、外から異物が混入することを防ぐ仕組みとなっています。


オイルシールの種類と規格


オイルシールが使われる機械は多種にわたります。そのため、用途に合わせてさまざまな形状やサイズ、特性のオイルシールが存在しています。

ここから、以下の五つの切り口でオイルシールの種類について説明します。

  • 型式
  • 厚み
  • 接点部
  • 材質
  • 内径・外径


型式

オイルシールには形状が異なる複数の型式があり、型式によって使用用途が異なります。

代表的な型式を表にまとめました。



型式
特徴・用途
A型

主に回転用として用いられる。

U型

A型と同じく主に回転用に用いられるが、外部からの異物混入を防ぐ目的で使用されることが多い。

K型

主にグリースシールとして使用される。補助としてA型のオイルシールと併用されることもある。

S型

ハウジング内面とシール外周のリップをすべらせて密封する。設計上、軸がシールを拒否する(他のオイルシールが使用できない)場合にのみ使用する。

ここで紹介した型は、特徴や用途でさらに細かく分類されます。

例えば、主に回転用として用いられるA型のオイルシールは4種類に分けられます。



型式
特徴・用途

A型 基本型式(AC型・AD型)

シールの対象を一方側に置き、単独で使用する。

外周を金属で覆うかゴムで覆うかによってAC型とAD型に分かれる。

A型 特殊型式1型(ACS-1型・ADS-1型)

圧力でリップが変形しにくいように設計されている。外周を金属で覆うかゴムで覆うかによりさらに分かれる。

A型 特殊型式2型(ACS-2型・ADS−2型)

AC型、AD型の密封液側に補強環を組み込んだもの。大型寸法のシールはこの型式であることが多い。

A型 特殊型式5型(ASS-5型)

金属ツバが付いていて、取り外しがしやすくなったもの。

厚み

オイルシールは厚みもさまざまです。軸径と型の組み合わせによって、適切な厚みのオイルシールを選ぶ必要があります。

厚みの種類によって、許容差の範囲も変わります。

例えば、ニトリルゴムを用いたオイルシールの厚みの許容差は以下のようになっています。



厚み(mm)

許容差(mm)

10以下

±0.3

10を超え14以下

±0.4

14を超え18以下

±0.5

18を超え25以下

±0.6

接点部

オイルシールには、機械部品との接点部にリップと呼ばれる部品が使用されています。

リップの構成には「シングルリップ」と「ダブルリップ」の2種類があります。


シングルリップは一つのリップで構成されているものを示します。ダブルリップは外側の「副リップ」と内側の軸(シャフト)と接する「主リップ」の二つのリップから構成されています。副リップは主に外側から副リップと主リップの隙間をグリース(潤滑剤)で詰めることで、外部の異物や水分の侵入を防ぐ効果を高めることができます。


材質

リップに使用される合成ゴムの材質にも、さまざまな種類があります。


代表的なのは「ニトリルゴム」です。ニトリルゴムは使用用途によって一般用、耐ガソリン用、耐寒用、食品用の4種類に分類されます。


耐熱性、耐寒性に優れた「シリコンゴム」は、摩擦熱が発生する高速回転箇所に適しています。ただし、水蒸気やガソリンには使用できません。「フッ素ゴム」はシリコンゴム同様に耐熱性に優れ、さらに耐薬品性や耐油性もあります。また、耐油性、耐熱性に優れた「アクリルゴム」は、ギア油やトルクコンバーター油など潤滑油を使用する箇所に適しています。


このように素材によって特性が異なるので、使用する用途・箇所によってゴムの材質を検討しましょう。


内径・外径

オイルシールは内径・外径の種類も豊富です。


同じ型のオイルシールでも、品番によって内径・外径・厚み(幅)の組み合わせが異なります。ハウジングの穴と軸のサイズに合わせて、適切な大きさのオイルシールを選んでください。


寸法表には内径が「軽径」と表記されることもありますので、覚えておきましょう。


オイルシールの付け方


オイルシールの取り付けには、以下の三つの工程があります。

1.     オイルシールの組み込み前の確認作業

2.     ハウジング穴への組み込み

3.     軸への挿入


それぞれの工程で具体的に何を行うか、取り付け方を詳しく紹介します。


1.オイルシール組み込み前の確認作業

オイルシールを機械部品に取り付ける前には、確認作業を行います。


まず、オイルシールにゴミや砂などの異物が付着していないかチェックしてください。個装を開封してしまうと傷やゴミが付いてしまうので、取り付けの直前に開封します。異物が付着している場合は、柔らかな布で取り除くか、機械に使用する潤滑油で洗浄しましょう。


取り付ける軸(シャフト)やハウジングにも、異物の付着や傷・サビがないか確認し、こちらも付着物があれば布で取り除きましょう。

異物が付着したまま使用すると、オイル漏れの原因となるので注意が必要です。


2.ハウジング穴への組み込み

確認作業が済んだら、ハウジング穴へオイルシールを組み込みます。


オイルシールの向きは、シールリップが密封したい部品側を向くようにして装着します。ハウジング穴に対してオイルシールを水平にし、専用の治具を使ってハウジング穴の底部までしっかりとプレス加入して押し込みましょう。オイルシールがシャフトに対し直角になることで、密封効果が確保されます。


オイルシールが傾いている状態で圧を掛けると、はめあい部が破損する可能性があります。破損はオイル漏れの要因となりますので、注意してください。


3.軸への挿入

まず、挿入を滑らかにするために軸の表面とオイルシールのリップ先端部にグリースや潤滑油を薄く塗ります。この工程により、挿入時にリップ部が捲れることも防げます。その後、オイルシールの中心と軸の中心を合わせ、ゆっくりと挿入しましょう。


潤滑油などを塗った状態でオイルシールを放置するとゴムが劣化しやすくなるので、塗布は軸への挿入の直前に行ってください。


ハウジングが重い場合は、先にオイルシールをハウジングに取り付けてしまうと、軸に組み付ける際の部品の破損につながります。そのため、重いハウジングはまずハウジングと軸を組み付けた後にオイルシールの取り付けを行ってください。


軸が重く長い場合も、まずハウジングと軸を組み付けてからオイルシールを取り付けます。もしオイルシールを後から組み込めない構造であれば、ガイド治具を使用しましょう。


オイルシールの保管方法


JIS規格によると、オイルシールは温度30度以下、平均相対湿度40〜70%を保持して積み重ねを避けて保管するよう記載されています。


湿度が高いとゴム部分が痛み、金属部分がさびる恐れがあります。また、温度が高すぎるとゴム部分の劣化を早めるので、避けてください。紫外線やオゾンによってもゴム部分は劣化します。直射日光や反射日光が当たる場所や、オゾンを発生させる電化製品の周りでは保管しないようにしましょう。


ゴムの材質によって次のように保管期限にも目安があるので、次の表を参考にしてください。



ゴム材質

保管期限の目安

ふっ素ゴム

10年

アクリルゴム

7年

ニトリルゴム

7年

水素化ニトリルゴム

7年

参照:JIS B 2402-3 第3部:保管、取扱い及び取付け


オイルシールの交換方法


オイルシールのゴム部分は使っているうちに劣化してくるため、交換する必要があります。


オイルシールを交換する際にはまず交換用のオイルシールを用意して、ゴミなどの異物が付いていないか確認をします。


確認したら、取り外し工具などを使用して古いオイルシールを取り外してください。その際、シャフトを傷つけないようにテーピングなどで保護することをおすすめします。


取り外した後は「オイルシールの付け方で」説明した手順で、新しいオイルシールをハウジングへ装着します。しっかりと取り付けたら、機械を試運転してみて、オイル漏れがないかをチェックしてください。


まとめ


オイルシールは機械内部のオイルが漏れないように密封する部品です。合成ゴムでできたリップという部品が機械と接触し密封する仕組みになっています。

オイルシールには機械の形に合わせ、さまざまな型と大きさがあります。また、使用されるゴムの材質によっても適した用途が異なります。どんな機械のどの部位で使うかを考慮して、オイルシールの種類を選びましょう。


オイルシールを取り付けるには、

  • 事前確認
  • ハウジング穴への組み込み
  • 軸への挿入

という三つの工程がありました。


取り付けや交換を行う際には、部品が破損しないよう注意して作業してください。





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