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鍛造と鋳造の違いとは?読み方やメリット・デメリットも紹介

金属加工の技術として知られる「鍛造」と「鋳造」。

日常的ではあまりなじみがありませんが、金属加工の仕事に携わるのであれば理解しておきたい言葉です。


中には、「どのような違いがあるのか分からない」「そもそもどうやって読むのかも分からない」という人もいるかもしれません。

そこでこの記事では、鍛造と鋳造の違いやメリット・デメリットなどを詳しくご紹介します。


読み方はもちろん、どのような製品に使われているのかも解説していますので、ぜひチェックしてください。

目次[非表示]

  1. 鍛造と鋳造の違い
  2. 鍛造とは
  3. 鋳造とは
  4. 製品によって鍛造と鋳造を使い分けることもある
  5. オーダーを受けるときに気を付けるポイント
  6. 鍛造・鋳造の仕事におすすめの資格
  7. まとめ


鍛造と鋳造の違い


鍛造は「たんぞう」、鋳造は「ちゅうぞう」と読みます。

漢字も言葉の響きも似ている二つの言葉ですが、どのように違うのでしょうか。


鍛造と鋳造は、どちらも金属の加工法ですが、成型方法に違いがあります。


鍛造は金属を叩いて成形するのに対し、鋳造は、溶かした金属を型に流し込み、固めることで成型します。

製品の用途や形状などに合わせて、鍛造で成型するのか鋳造で成型するのかを使い分けるのです。


鍛造とは


金属の、「叩くことで強度が高まる」という性質を利用したのが、鍛造です。

金属は、叩いて内部の空隙をつぶし、結晶の方向を整えることで強度が高まります。


金属を叩いて強度を上げることを「鍛える」ということから、鍛造といわれるようになりました。

鍛造は、強度が必要な製品に使われる加工方法です。


工程

鍛造には、熱感鍛造と冷感鍛造があります。

それぞれの加工工程を見ていきましょう。


【熱感鍛造】

金属を熱して柔らかくすることで成型する熱感鍛造は、常温での加工が難しい鉄の成型に向いているでしょう。

複雑な形状や大型部品の成型に使われます。


1:切断

成型する金属を、加工しやすい大きさ・重さになるように切断します。


2:加熱

材料となる金属を加熱炉に入れ、再結晶温度まで昇温します。


3:成型

加熱して柔らかくなった金属を成型します。

鍛造の成型には、ハンマーで叩いて成型する方法と、金型に入れて加圧して成型する方法があります。



【冷感鍛造】

金属を加熱せずに成型する冷感鍛造は、表面の仕上がりがキレイなのが特徴です。

精度も高いので、小型部品の加工に向いています。

材料として使われる金属は、常温でも加工できる柔らかさの非鉄金属です。


1:切断

成型する金属を、加工しやすい大きさ・重さになるように切断します。

金型ではなく、ハンマーで叩いて成型する場合もあります。


2:成型

切断した金属を金型に入れ、加圧して成型します。


メリット

鍛造のメリットは、強度の高さです。

強度が高いので、薄い加工も可能です。製品を軽量化できます。

加圧することで金属に粘り強さが出るとともに、組織が密になるので内部の欠陥も少なくなるのも特徴の一つです。


鍛造は、使用する型に合わせて材料を用意するので、削り出しによる加工方法と比べると、材料のロスが少ない点もメリットとして挙げられるでしょう。


デメリット

鍛造のデメリットは、成型に時間がかかる点です。

加工に大きな圧力が必要なので、完成までに時間がかかります。


複雑な形状の成型や大量生産にも向きません。

型を使うことで、ある程度の形状に対応したり生産量を増やしたりできますが、鋳造に比べるとやや劣ります。


鍛造に向いている製品

鍛造は、強度が必要な製品に多く使われています。


【鍛造により作られている製品】

  • 自動車のギア
  • 航空機の胴体フレーム
  • 包丁
  • ゴルフクラブ
  • 高級ジュエリー など


鋳造とは


鋳造は、高温で溶かして目的の形に成型する方法です。

熱で液体状にまで溶けた金属を、金型に流し込み、冷やし固めます。


鋳造に使う型を鋳型(いがた)といい、鋳造によって作られた製品は、鋳物(いもの)と呼びます。

鋳造にはいくつかの種類があるので、用途に応じてふさわしい方法を選ぶことも大切です。


【鋳造の種類】


名称
加工法
特徴
砂型鋳造法

砂で作られた型を使用

・鋳型が安く作れる

・大きな鋳物の成型に向いている

・大量生産には向かない
金型鋳造法

耐熱合金鋼で作られた型を使用

・鋳型にコストがかかる

・大量生産に向いている
連続鋳造法
鋳型に連続して材料を注ぎ、強制冷却して半製品を取り出す

・大量生産に向いている

・設備が大掛かりになる

・製品の仕上がりが、作業者の技術に左右されやすい


工程

鋳造の加工工程を確認しましょう。


1:材料を溶融する

材料となる金属を、高温で溶かして液体状にします。

溶湯の表面に浮かんでくる不純物を取り除き、純度を上げます。


2:注湯する

液体状にまで溶けた金属を、型に流し込みます。

鋳型の温度が低いと仕上がった鋳物が欠落する可能性もあるので注意が必要です。


3:冷却して固める

鋳型に流し込んだ金属を冷やし固めます。

完全に固まったら鋳型から取り外し、付着している砂やパリを取り除けば成型完了です。



メリット

鋳造のメリットとして挙げられるのは、複雑な形状でも、比較的簡単に加工できることです。

一度鋳型を作ってしまえば、複雑な形状でも小さな部品でも容易に加工できます。


繰り返し使える金型を使う場合は、大量生産も可能です。


デメリット

鋳造のデメリットは、強度が弱いことでしょう。

これは、加工の過程で材料に圧力を加えないので、仕上がった鋳物の内部に応力が残っていることが原因です。


鋳物に厚みを持たせることで、ある程度の強度は保てますが、その分重量は重くなります。


 鋳造に向いている製品

複雑な形状の製品を大量生産できる鋳造は、日用品から業務用機械の部品まで、様々な場面で使われています。


【鋳造に向いている製品】

  • マンホール
  • 釣り鐘
  • 自動車用部品
  • フェンス
  • ベンチ
  • 大量生産される安いジュエリー など


製品によって鍛造と鋳造を使い分けることもある


鍛造と鋳造には、それぞれの性質に合わせて向いている製品があります。

ただ、「この製品は鍛造でなければいけない」「この製品を鋳造で作るべきじゃない」ということはありません。


製品によっては、鍛造と鋳造を使い分けることも必要です。

例えば、アルミホイール・ゴルフクラブ・指輪などは、鍛造で作られた製品もあれば、鋳造で作られた製品もあります。


強度や軽さを重視するなら鍛造の製品、コストの安さや複雑な形状の製品なら鋳造の製品というように、用途によって選択しましょう。



オーダーを受けるときに気を付けるポイント


金属加工のオーダーを受けるときに気を付けるポイントを確認しておきましょう。


他の部品との適合性

オーダーを受けるときは、他の部品との適合性を考えましょう。


例えば四角柱状の部品加工の依頼を受けたとします。

後で他の部品と焼きばめすることを知っていれば、焼きばめしやすい円柱状の部品を提案することもできるでしょう。

依頼された部品が、どのように使われるのかを把握しておくことも大切です。


加工品の使用環境

できあがった製品が、どのような環境で使われるのかも重要なポイントです。

圧力がかかりやすい場所で使われるのか、それとも水のある場所で使われるのかによって、材料選びや加工法を変えることもできます。


加工品の使用環境はしっかり確認しておきましょう。


鍛造・鋳造の仕事におすすめの資格


鍛造や鋳造の仕事をするときにおすすめの資格に、鍛造技能士と鋳造技能士という資格があります。

それぞれの資格の概要を見ていきましょう。


 鍛造技能士

鍛造技能士は、鍛造に必要な技能を認定する国家資格です。

都道府県知事が実施する、鍛造に関する学科試験と実技試験に合格することで資格を取得できます。


区分
受験資格
受験料
1級

・7年以上の実務経験または2級合格後2年以上の実務経験

※学歴によって異なる

・学科試験:3,100円

・実技試験:18,200円

※都道府県によって異なる
2級

・実務経験2年以上

※学歴によって異なる


 鋳造技能士

鋳造技能士は、鋳造に必要な技能を認定する国家資格であす。

 等級には、特級及び1級〜2級まであり、特級は管理者または監督者が通常有すべき技能の程度、1級〜2級はそれぞれ上級技能者、中級技能者が通常有すべき技能の程度と位置づけられている。


区分
受験資格
受験料
特級

・1級合格後5年以上の実務経験


・学科試験:3,100円

・実技試験:18,200円

※都道府県によって異なる


1級

・7年以上の実務経験または2級合格後2年以上の実務経験か3級合格後4年以上の実務経験

※学歴によって異なる
2級

・実務経験2年以上または3級の合格者

※学歴によって異なる
3級
不問


まとめ


鍛造と鋳造には、それぞれメリット・デメリットがあり、用途によっては向いている製品と向いていない製品があります。

どのような目的で使うものなのか、どういった環境で使われるのかも把握した上で、適切な加工法で成型を行う必要があります。


これから鍛造や鋳造の仕事に就きたいと考えているのであれば、鍛造技能士や鋳造技能士といった資格の取得も検討してくださいね。










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